競争力を向上させる組織とマネジメントの在り方➀

はじめに
 昔は、体育会系と聞くと、忍耐力・行動力がある、統制がとれている等の良いとされるイメージが強かったと思いますが、今では、体罰や法令・ルールを逸脱しても上司の指示に逆らえないといった悪いイメージが強くなってきています。まさに、体育会系組織の在り方が問われてきています。この現象は、会社における組織も同様で、検査不正・改ざんやパワハラ等組織としての在り方、マネジメントの仕方を見直さなければならない時期がきているのではないでしょうか。
 今回のブログでは、筆者が20年以上、改善・改革活動を実行、または、支援してきた経験を踏まえ、競争力を向上させる組織とマネジメントの在り方について、3回に分けてお話しさせて頂きます。

1.結果に直接結びつくものは?
 結果に直接結びつくものは何でしょうか?
 「やる気」?「スキル」? それとも何?

 研修で組織的に活動を進めるポイントを説明する際に、この問いをいつも投げかけています。すると、「やる気」と答える方が多数を占めます。
 「やる気」が直接、結果に結びつくというのは旧態依然とした体育会系の根性論的な発想で、まだまだ根底にはこのような意識が残っているのかもしれません。
 「スキル」が直接、結果に結びつくというのは技術力が高ければ物が売れる的な発想で、これだけでは結果はでません。ちなみに、「スキル」があるとは、技術(知識・ノウハウ)と技能両方を持っていることだと筆者は定義しています。
 「やる気」も「スキル」も非常に重要ではありますが、直接、結果に結びつくことはありません。「やる気」や「スキル」があってもやらなければ何も起こりません。直接、結果に結びつくのは「行動」です。意外と皆さん忘れています。

2.ほとんどの人は“ふつう”
 仕事ができる人は2割、普通の人は6割と言われることもありますが、ほとんどの人は“ふつう”だと思います。“ふつう”の人は、やったことがないことを最初は上手くできなかったり、不安からやることを躊躇したり、不得意なことがあったりします。このような状況で、「やれ!」「なぜ、やらないんだ!」というだけで、上手く行動できることはありません。それで上手くいくのは、「仕事ができる人」だったのでしょう。
 ここでやらなければならないのは、「行動できない理由」を特定することです。
 筆者は、行動するために必要なことは下記のように整理できると考えています。

 「意欲」とは、やる気、モチベーションという意味で、心に関すること。「スキル」とは、行動するために必要な技術と技能で、技に関すること。組織支援とは、行動するための障害物を組織が取り除くことで、行動するための権限や資金を与えたり、時間をつくったり、意欲や スキルを高めるための支援をする等で、昔から言われている心技体になぞらえて、体に関することと定義しています。
 つまり、行動しない理由を「意欲」「スキル」「組織支援」の3つの視点から特定し、取り除くことが必要となります。
 「仕事ができる人」ばかりの事業者には縁のないことかもしれませんが、「ふつう」の人がほとんどの場合、以上のようなことを踏まえて組織、及び、マネジメントをする必要があります。

 次回は、モチベーションとの向き合い方について、お話させて頂きます。

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